葬儀に関するマナーは葬儀場やその関係筋で働いていないとあまり馴染みがないですよね。
香典や香典返しについてもよく分からないまま葬儀が進み…なんてことも。また葬儀なんて滅多にある事ではないので経験で覚えていくって事も難しいですよね。
あまり知られていない香典返しについてのしの表書きや挨拶状についてご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
香典返しののしの名前ってどうする?書かなくてもいい?
香典返しにかかっているのし紙にはその土地の習わし等もあるので「こうだ!」という確固たる決まりはありません。
一般的には故人の姓を書くか喪主や施主の名前を書くことが多いです。
故人の姓を書く方が広く知られていて一般的と言われています。
地域によっては〇〇家として書かれることもあります。
喪主や施主の名前を書くのは、例えば妻の親がなくなった時に夫の知人から香典を頂いたときの香典返しなどには故人の姓ではなく喪主の名前を書くことがあります。
故人の姓で書かれる場合はその地域によって故人の姓で書かれるのか〇〇家と書かれるのかが別れるようです。
実際に香典返しを出す時にどのように書くのがその地域の通例なのかお寺さんに聞いたり親戚の年長者に聞いてみると安心ですね。
のし紙の名前は薄墨or濃い墨?!
また、のし紙に名前を書くときに薄墨か濃い墨かで悩みますがこれはどちらでも良いとされています。
香典の表書きを書くときには
- 死の報せが突然のことで十分に墨をすっている時間がないほどに準備が慌ただしい
- 悲しみに暮れながら墨をすっていてすずりに涙が入ってしまい墨が薄まった
- 書いている途中で涙が落ちてしまい墨が薄まった
などの理由が昔からの説で言われているので薄墨で書きます。
香典は突然の訃報だから薄墨で書くとされているものですが、香典返しについては故人が亡くなった時点で予め返すことが決まっています。
その為、薄墨で書くか濃い墨で書くかはどちらでも良いとされています。
香典返しは四十九日の法要を過ぎた辺りに出すので、故人が亡くなってから日が経っていなくまだ悲しみが癒えていないという意味で薄墨で書く場合もあります。
ちなみに香典返しにかける紙をよく『のし』と言いますが、本来のしとはアワビの肉を薄く切って平らに伸ばして乾燥させたもののことで、これを色紙に包んで慶事の贈り物に添えた物のことをいいます。
紅白の水引きにはこれの絵柄が印刷されたものが使われますよね。
『のし』とはお祝い事の時に使われるものなので、弔事の時に使われるのは『のし』ではなく正しくは『掛け紙』と言います。
香典返しに挨拶状なしってあり?マナー違反?
香典返しは昔では四十九日の法要が終わった後に一軒一軒回って直接手渡ししていたんです。
直接手渡していたので挨拶状はつけずに出していました。
今現在も手渡しで香典返しを渡す場合は挨拶状はつけずに渡してもマナー違反にはなりません。
でも今の時代は親戚も住んでる地域がバラバラで四十九日の法要後に直接手渡しするのは難しいという場合が多くあります。
葬儀の当日に手渡しする場合は?!
そのことから地域によっては当日に手渡しする場合もありますよね。
そんな時も挨拶状は不要になりますが、気を付けなければいけないことがあります。
当日手渡しするときはお通夜や告別式に来てくれた方みんなに渡す会葬御礼と間違われないように「ご香典のお礼としてお納めください」などと一言添えてお渡しするようにしましょう。
この時、香典返しの挨拶状は不要ですが会葬御礼にはお礼状を添えるので準備が必要です。
また、当日手渡しする場合には掛け紙は『外掛け』といって品物の包装紙の上から掛け紙をつけ相手になぜ送るのか目的をはっきりさせて渡します。
その時の表書きは『志』と書いたものを掛けて送るのが一般的です。
他にも『粗供養』や『茶の子』といった表書きもあります。
香典返しの挨拶状を自作するなら?書き方にマナーはある?
香典返しは香典を頂いた方みんなに渡すものですが、郵送で送る際などは挨拶状を添えるのがマナーです。
香典返しを用意した段階で無料で挨拶状なるものを自動的に添えてくれる場合もありますが、故人との関係によってはかける言葉も様々ですよね。
親戚の方や、故人の仲の良かった友人や故人の家族の会社関係の方から香典を頂く場合もありますよね。
みんな一律に同じ文面でもマナー違反にはならないですが、故人と特に親しかった方などには自筆の挨拶状を添えるとより感謝の意を伝えられのではないでしょうか。
挨拶状の書式とは?!
挨拶状は大きく分けて二つの書式があります。
奉書式
一つ目は奉書(ほうしょ)式といって一枚の紙に縦書きで書いて二つに折り封筒に入れるといった形式のものです。
奉書とは平安時代から使われている命令書のようなもののことで、この奉書に使われていた巻紙などのことを奉書紙と呼んでいました。
今も神道の祝辞に使われたり儀礼用としても使われています。
その時にはきちんとした形式で送りたいので奉書式で挨拶状を添えるといいですね。
はがきやカードを使った書式
もう一つの書式ははがきやカードを使った書式です。
はがきやカードといっても丁寧さを出すために封筒に入れて添える場合もあります。
少額の香典返しや商品の大きさが小さい場合などははがきやカードのようなコンパクトなものを添えるとバランスがいいです。
これらを踏まえて挨拶状を奉書式かはがきやカード式かどちらかのタイプで出すかは送る相手や送る商品の大小などで変えて出すようにしてくださいね。
挨拶状の書き方のマナー
挨拶状の書き方は忌時の場合も基本的なマナーは一般的な挨拶文を書くときと同じです。
縦書きで書き句読点を打たずに忌み言葉を避けて書くなどです。
句読点を打たないのは句読点には文章をとめるという意味があるので法事が止まらず滞りなく進みますようにという意味があります。
繰返し言葉を使わない
また『ますます』や『つねづね』といった繰り返し言葉は葬儀などが繰り返されないようにという意味で使わないように注意しましょう。
香典返しの挨拶状は薄墨でも濃い墨でもどちらでも良いとはされていますが、地域によっては薄墨でなければマナー違反ととられる場合もあるので薄墨で書けば間違いないでしょう。
内容は香典を頂いたお礼とおかげで法要が滞りなく終わったこと、お礼に香典返しを送るといったことが書かれているといいです。
正しい丁寧語を使って書くようにしましょうね。
おすすめの香典返しの選び方についてはこちらも見てみる。
まとめ
香典返しは香典を頂いた方には必ずお返しするのがマナーです。
手渡しで渡すのであれば一言添えて渡すだけでいいですが、直接に顔を合わせずに郵送などする場合は必ず挨拶状をつけて感謝の意が伝わるようにしましょう。
正しい敬語を使うのは基本中の基本ですが故人の親しい人には柔らかい文面で送るとより伝わりやすいのではないでしょうか。
マナーをしっかり押さえて送ってみてくださいね。
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